人は血液と共に老いる

人が年をとり血管の機能に障害が起きると、これが引き金となり、血管が固く、もろくなります。弾力性を失った血管は、まるで古くなったゴムのタイヤのようにひび割れ、ボロボロになったりします。動脈硬化、狭窄の始まりです。
もし、脳や心臓など大切な臓器の血管で動脈硬化、狭窄が起きるとどうなるでしょうか?
脳梗塞・狭心症・心筋梗塞となり、命さえ脅かされます。助かったとして、後遺症のせいでその後の生活の質(QOL)が一変する人も少なくありません。


人は血管とともに老いる」と言います。
年をとると全ての人が血管が固く、もろくなるのかというとそうとも限りません。
高血圧、糖尿病、脂質異常症(平成19年4月より高脂血症改め)、喫煙、肥満がある人は血管を痛めるリスクが飛躍的に増してきます。
死に直結はしませんが、徐々に、そして確実に血管を痛め健康をむしばんでいきます。
サイレントキラー(沈黙の殺し屋)と言われるのも納得です。メタボリッシンドロームが何故いけないのかも頷けます。
日本人の死亡原因の第T位は「癌」、第2位が「脳梗塞、脳溢血等の脳血管障害」第3位が「心筋梗塞」となっています。
第4位に肺炎です。抗生物質が世の中に出て以来、感染症は激減したのに・・・と不思議な感じがいますが 老人性肺炎は上位死因の1つになっています。
物を飲み込む際に働く脳の反射中枢神経付近の血管障害のため、飲み込み反射が悪くなり、誤嚥(誤って、気管の方に食べ物や飲み物、唾液が飛びこむ)がおきます。唾液の中には多くの口腔内雑菌が住みついているので、これらの雑菌が唾液とともに呼吸器に入り、 体力の弱まり、免疫力の低下とあいまってとともに肺炎を起こす事になります。いずれの場合でも血管系の障害が引きおこす病気です。
致命的な病気をおこすことなく、健康的に日々を送るためには、何が効果的なのか、を知るが大事と言えるでしょう。
従来は単に血液を全身に運ぶパイプと考えられていた血管が実に多彩な働きを果たしていることが、近年分かってきました。

 血管の構造と働き

血管は内膜、中膜、外膜といった三層の膜さらに平滑筋細胞などで形成され、ここに神経が分布し血管を広げたり、縮めたりしています。 血管の一番内側には血管内皮細胞という一層の薄い細胞の膜でおおわれ、中側をツルツルの滑らかな状態にしています。もしこのツルツル の壁に傷がつくと、この傷を修復するため、血小板が素早く集まり血栓を作ります。このような事が起こると、血液の流れは障害され、 血の流れが悪くなりますます。こうなると困るので 血管内皮は一種のホルモンのような働きをする物質を分泌し、血管の機能をコントロールしていることがわかってきています。 エンドセリンや、一酸化窒素(NO エヌオ)、プロスタサイクリンなどです。 ホルモンは生体がバランスよく活動するために必要で、活動のバランスが崩れる事が、いろいろ病気の原因となります。

 血管内皮の働きとしては
  1. 血管内の血液を固まらせない働き (血栓を作らない)
  2. 周囲の平滑筋の収縮、弛緩をコントロールしている (血圧の上下に関与)
  3. 血管の形状を変える物質を分泌することで、血液中の血液細胞(赤血球、白血球など)や血管壁細胞が増殖遊走(増えたり、出てきたりするのを)を調節し、血管周辺におこる炎症をコントロールする。

このように重要な血管内皮の働きがもし損なわれると、血液中の白血球、単球(マクロファージ)に変化がおこり、これらの細胞群が障害部位に集まります。このことが引き金となり、内皮や平滑筋細胞に増殖がおこり、いわゆる動脈硬化になります。
動脈硬化防止には、まず発展血管内皮細胞の働きが健全である事、内皮細胞を痛める原因を除くことが大事です。
活性酸素と血管中を流れている血液中の脂肪や糖に注目することも大事です。
糖尿病が怖いのは、血管を砂糖ずけ状態にするからです。
砂糖ずけ状態の血管は、活性酸素により糖化し、ガチガチに固くなります。まず細い血管(目、腎臓の)次いで太い血管(心臓、脳の)痛みます。
血液の流れは悪くなり、全身の細胞や組織が酸素、栄養不足になり、活動が出来なくなります。本来果たすべき役割を果たせなくなる状態に追い込まれます。糖尿病、高血圧、脂質異常は死の四重奏と言われ、重大な病気を引きおこす前触れの病気と言われいます。 こうした病気の特徴は急激に起こるのではなく、何年にも何十年にもわたる生活習慣の積み重ねが引きおこします。 生活習慣病と言われるゆえんです。 生活習慣病はまだ、未病の状態に治すことが肝要で、健康に悪い生活習慣を見直すことで改善できます。まだまだ間にあいますよ!!